『火星土星アスペクトの相性を考える。〜ハードアスペクトの捉え方〜』

 

 

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火星土星アスペクトの相性を考える。
 
西洋占星術のシナストリーを読む過程において火星土星アスペクトの相性は非常に難しいものとして捉えられております。そして、それが何故かということに関してはあまり論じられておりません。本日はここに焦点を当てて、シナストリーにおけるこのアスペクトの読解法を解説いたします。
 
⑴火星と土星の解釈
火星と土星、二つの惑星はマレフィック天体であり、内惑星の個人の性質に影響を大きく与えます。二つの天体が示す性質と象徴は
 
火星活動•前進の方向、やる気スイッチ、若い男性
土星自制•抑圧の方向、試練•克服すべきこと、父親

 

このように表現できます。二つの天体は根源が似て非なる天体同士と捉えることができるのです。両方とも男性性の象徴の天体でありながら、働きかける方向が異なる。これが、火星土星アスペクト解読において重要なポイントとなります。

 
⑵なぜ火星土星は難しいと捉えられるのか
 
⑴にて述べたように、土星は自制や抑圧の方向性であり、火星は活動•前進の方向を示します。つまりアスペクトを組む場合はこの二つの性質が緊張(ハード)もしくは調和(ソフト)の関係を組むことになるのですね。
一般的には土星側の抑圧に火星側が耐えられなくなり攻撃をする。と解説されます。
しかし、火星や土星の性質はサインによって大きく変わるため、このアスペクトの繊細な表現には結びつきづらいのです。
分かりやすい例えで説明しましょう。土星父親。火星は息子と捉えてみてください。親子関係で父息子の確執は古今東西、様々な戯曲にされているように非常に難しい問題です。火星土星アスペクトをこのように捉えますと父親と息子が自然と尊敬しあって穏やかに過ごしているか、複雑なの仲になるのかというような構図と捉えることが出来ます。
お互いに親子で愛し合っていたとしても、うまくいかないことがある。という風に。つまり二人の中の、火星(息子)と土星父親)が関係性を組んでいる。それが調和的でない場合、、一本縄では行きませんね。
 
⑶相性における土星と火星の主従関係
 
火星と土星の主従関係を考えるとき、セオリーでは「外惑星→内惑星」という流れで基本は考えますが、ハードアスペクトの場合は表面上では方向性が変わることがあります。しかしながら結果的には火星側が受け手になることがほとんどなのです。つまり、大抵の場合、火星側が忍耐を切らして爆発することが多いということはこの方向性から考えられます。
 
土星火星アスペクトの考え方と克服の方向性
 
火星土星アスペクトを解読していく際には、各天体のサインの性質を読み解きます。その方向に対して調和的に流れているか緊張かによって、この相性のポイントが見えてきます。サインごとの火星と土星の性質については割愛させていただきます。
 
この場合は調和の関係なので、お互いの天体がお互いの性質を支え合うと捉えます。手綱を引き合うと捉えて良いでしょう。この場合は大きく問題になることは少ないでしょう。
 
  • スクエアの場合 土星火星
90°を組む場合、例えば山羊土星と牡羊火星の場合にお互いの表現する抑圧と活動方向性がぶつかるんですね。
過去の事例や現実を突きつける上司(山羊)と現場と可能性に賭けて行動したい部下(牡羊)のように。なにか熱血系の刑事ドラマの関係性ですね。レインボーブリッジを閉鎖するような。と。お互いにぶつかりつつも目標やコンセプトを持てば切磋琢磨の関係となります。なんだかんだで目標やコンセプトがあれば調停しますから。但し、恋愛って目的やコンセプトに向ってっていうのってあんまり無い。そのためにこの相性は大変と言われるのです。
 
180°を組む場合。例えば山羊土星と牡羊火星の場合にお互いの表現する抑圧と活動方向性が真反対。
スクエアとは印象が変わります。この場合は、上手く立ち回ってもらいたい上司(てんびん)とオラオラ行っちゃう部下(牡羊)のように。土星の制御が火星に対して全く効かないのです。以外にこの関係でアスペクト組む人同士って恋愛関係にはなりにくかったり。子弟や親子の関係で良く見られるアスペクトです。
 
  • コンジャクションの場合 土星火星
吉凶半分です。両方の側面を持っているため、他のアスペクトのバランスを考慮して解読する相性です。
同サインということはその性質の火星の行動性に対して、土星はその部分に関して制御をかける。もしくは土星側が抑圧されていたことが、火星側によって制御の鎖を解かれる。
つまり抑圧に対しての解放を求めていたのであれば、土星にとっての火星の存在は調和的な破壊になるでしょうし、暴れん坊の火星だとすれば良いストッパーとなるのです。実はこの相性って結婚しやすいのですが、離婚もしやすい。
 
⑸まとめ
実は人間関係において土星の存在はとても重要です。これが絡まないと深い関係にはなりにくいことがほとんどです。
お互いの歩み寄りと化学反応が人間関係を構築する上での醍醐味であると私は思います。
土星火星の相性は双方にの成熟を求められる相性ではあります。また、同時に、この成熟が本人たちの人生における大きな成長をもたらす相性とも言えましょう。火星側は土星の制御を理解する必要がありますし、土星側は火星の行動を攻撃性に変えずに手綱を引く鍛錬を必要とされます。
 
この相性は刺激があるんですよね。
お互いが一方的にならないように、ぶつかり合いながらもお互いを受け入れるということ。
緊張と調和のバランスが愛の妙薬。人間たる奥深さなのでしょう。
 
本日はこのあたりで〜